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どうして丸い欠損を縫合すると、傷は長くなりdogearができるの?

丸く比較的大きな(黒子、色素性母斑、良性腫瘍)、円形の瘢痕などを切除する場合に、

その後の再建をどうするかプランニングは重要です。

我々形成外科医は、縫合、皮弁、植皮などで欠損部を再建します。

今回はそのうちの縫合の話をしますが、

まあそれは医師側に話なので後述。

一方で患者様は、“取った後どうなるのか?”を気にされます。

傷は?長さは?凹むの?膨らむの?などなど。

例えば、

比較的大きな丸い形の黒子を取る場合、

切除後の欠損は、部位にもよりますが、

皮膚に一定のtensionがかかるために、

同じ大きさの欠損にはなりません。

少し大きくなります(ちなみに瘢痕切除後は更に大きな欠損になります)。

その欠損部分を無理なく縫合できるようであれば、

皮弁や植皮などで再建する必要はありません。

縫合閉鎖で十分です。

ただし・・・

その丸い欠損を縫合すると、縫合した傷は必ず長くなります。

また“ある変形”が生じることがあります。

 

ではわかりやすいようにカラーボールを使って説明しましょう。

(私はカウンセリングの際に2つのカラーボール用いて説明しています)

【丸い欠損を縫合した場合】

ボールに丸い穴をあけます。

それをそのまま縫合します。

長くなりました。

そして横から見ると、

中心部が凹み、両サイドが山のように盛り上がり(変形)ます。

この変形を“犬の耳” dogearと呼びます。

顔でいえば局面、つまり頬や鼻尖部に何らかの手術を行い、

生じた欠損部を縫合すると、

傷は長くなり、傷の両端はdogear変形を起こすわけです。

この両サイドの山を修正すると、さらに傷は長くなります。

 

一方で次の場合はどうでしょうか。

【紡錘形の欠損を縫合した場合】

ボールに紡錘形の穴をあけます。

そのまま縫合します。

少し傷は長くなりますが、

横からみても、

凹みもなければ、dogearも生じていません。

 

では、頬の丸く大きな黒子を切除する場合、

患者様にはどう説明し、そしてどうプランニングするか、

説明では、傷が長くなること、

そしてdogearができる可能性があることを必ず言います。

そして黒子だけでなく、一部正常組織をあわせて切除することも付け加えます。

できればデザインを見せておくことも大事でしょう。

切除は、丸い黒子に正常組織を一部加え、

紡錘形に切除するデザインにします。

そうすることで、

傷が長くなること、そしてdogear変形を予防します。

最後に丸い穴と紡錘形の穴を縫合して比較してみましょう。

 
 

 

 

 

 

やっぱり紡錘形がよいですね。

 

丸く大きな黒子・色素性母斑・良性腫瘍、円形の瘢痕などを切除する場合は、

説明とプランニングは大切です。

それを怠ると、

「こんなに長い傷ができるなんて!」

「傷の中心が凹み、両サイドが盛り上がってしまっている」

このような医師と患者様の間にトラブルが生じてしまいます。

気をつけましょう。

丸山成一

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