アゴの傷跡修正~Z形成術①
今回はアゴの傷跡修正のお話です。
人間はケガをすると、
創傷治癒(そうしょうちゆ)という現象・・・・・
傷を治そうと、細胞が一生懸命働きます。
例えば・・・
壁に穴があいてしまったら、
壁の修復をしますよね。。。
その修復作業のことです。
浅い擦り傷のような傷であれば、
この創傷治癒により、ほとんど傷跡は残らないのですが、
深い切り傷や深い擦り傷、
また、深いやけどなどによって、組織が大きなダメージを受けると、
創傷治癒という現象は起きるのですが、
その後、瘢痕(はんこん)という組織に置き換わり、
また状態によっては拘縮(こうしゅく)、つまり引きつれが生じます。
このような瘢痕による拘縮が生じた場合、
その傷は周囲の組織を巻き込み、
凹んだり、もりあがったりして、
整容上もしくは機能上日常生活に支障を来すわけです。
さあ、、、
今回の症例は、


若い頃顔に大けがをして、
その後アゴの部分に、写真のような凹んだ傷が生じた患者様でした。
機能上は大きな問題はなかったのですが、
患者様は整容的に、
当時からこの傷を治なんとか綺麗に治したいと思っておられたようです。
さて、
「では・・・どのようにすればいいか?」
・・・ですが、、、
まず、アゴの形態を考えると、
ただ単純に切って縫うことでもいいのですが、
それでは、アゴという曲面にまたがった・・・
今回の問題点である“傷の凹み”を解消すのは難しいと思われます。
このような場合、
形成外科医は、
Z形成術という特殊な傷跡修正を行います。
このZ形成術というのは、
以下のようなケースでよく使われます。

上のイラストのように、
お腹に帝王切開の跡が盛り上がってしまい、
更にはその部分およびその周囲の組織が引きつれを起こしているような場合です。




④のイラストのように、
Z型に皮膚に切り込みを入れ、A弁とB弁の皮膚に分けてしまいます。
そして、ぞれぞれの皮膚弁を入れかえることで、
盛り上がった引きつれのある直線の傷を分断するのです。

この作業により、
傷の引きつれや盛り上がった部分がなくなります。
このようにして、Z形成術を行うことで、
帝王切開の傷跡は改善されます。
また・・・
このZ形成術は上のイラストで示したような直線を分断する効果の他にも、
2点間の距離を延長する効果や、
山を谷に、谷を山に変える(盛り上がりを平らに、凹みを平らにする)効果などもあるのです。
今回のアゴの傷跡修正の症例ですが、

傷がこの曲面にあって、更に凹みもあるケースに対し、
どのようにZ形成術を行うか・・・
またどのように傷が綺麗になっていったのか・・・
次回ご説明いたします。
丸山成一




















