形成外科の縫合と肥厚性瘢痕・ケロイドの違い
今回は我々形成外科医や美容外科医が行う縫合について説明します。
よく患者様に「先生、傷はなくなりますか?」と質問されます。
この質問に対して私は、
「傷はなくなるのでなく、目立たなくなります」
あるいは
「人によっては、よくみてもわからなくなります」
と回答します。
今の医療技術では、“傷”を消し去ることは決してできません。
手術によってついた“傷”もなくなるわけではありません。
一般的に傷は、血の出ない引っかき傷であれば、
表皮内にとどまっているので傷跡になりません。
しかし、血がでるまで、つまり真皮層まで到達すれば傷跡になります。
その傷には大きく分けて2種類あり、
肥厚性瘢痕とケロイドがあります。
両者とも赤く盛り上がるのですが、
肥厚性瘢痕は傷の範囲を超えて広がりません。
また3〜6ヶ月経過すれば成熟瘢痕となり白く平坦化します。
また手術を行うことで良くなることが多いです。
一方で、ケロイドは傷の範囲を超えて広がります。
また好発部位(肩・上腕・前胸部・腹部・耳)があり、
手術をすれば悪化する可能性があります。
*ケロイドの治療はステロイド注射や、
ケロイドの中で手術を行い、あとは放射線をして治療します。
形成外科医・美容外科医は日々、
これらを踏まえ、いかに目立たなくするかを試行錯誤し治療を行っています。
それでは、傷の縫合に関して説明します。
形成外科医・美容外科医は数種類の縫合を使い分けますが、
その中に真皮縫合があります。
形成外科医は皮膚表面(表皮)だけでなく、

真皮(しんぴ)、皮下組織(脂肪組織など)と2層にも3層にも縫合し、
術後に傷に緊張や負荷がかかっても大丈夫なように、
より強固に縫い上げていきます。

①表皮の部分を鑷子というピンセットでつまみひっくり返します。
そのまま下から上に向かって、真皮の深い層から浅い層に向かって針を出します。

②今度は上から下に向かって、真皮の浅い層から深い層に向かって針をすすめます。

③、④その状態で糸を結ぶと、結び目が組織の中に埋まり、表に糸がでてきません。
*術後この真皮縫合による埋没糸が表面に出てきたり、縫合糸膿瘍を起こすこともあります。
実際に、ネックリフト(首のしわ、たるみとり)の手術でその縫合を確認します。

上の状態が、真皮縫合した直後です。
皮膚同士がしっかりくっついていますね。
糸は表にでていません。
更に表皮縫合を行い補強します。

表皮縫合した直後です(今回は連続縫合です)。
とても細かく縫合しています。
出来るだけ目立たないように、毛の生え際で縫合していることもポイントです。
傷がどのぐらい目立たなくなったか、確認してみます。

施術後1ヶ月です。
まだ少し赤いですが、ほとんど目立ちません。
下の写真は上の写真の傷のところにマークしてみました。

赤い点線をつけた部分が傷のところですね。
確かに目立っていません。
形成外科ではこのような真皮縫合を
ほとんどの手術で行っています。
丸山成一
- 料金/リスク・副作用・合併症を表示
-
標準料金
ネックリフト ¥770,000
リスク・副作用・合併症ネックリフト内出血、腫脹、左右差、感染(MRSAなど)、後戻り、顔面神経麻痺、 毛根の損傷、脱毛症、傷の哆開(しかい;傷が開く)、 瘢痕形成(傷の肥厚や陥凹など傷跡が目立つ)、瘢痕拘縮(引きつれ)、ケロイド形成、真皮縫合糸(中縫いの糸)が出てくることがある、縫合糸膿瘍、ドッグイヤー(傷の両端が盛り上がる)、テープかぶれ、自分が想定していた状態、結果、満足などと異なる可能性があります。
※掲載料金は目安です。症状や状態により異なる場合があります。
※Before & Afterの画像は参考で、効果や満足度には個人差があります。




















