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身体醜形障害とは

身体醜形障害とは

■ 身体醜形障害(body dysmorphic disorder:BDD)とは

身体醜形障害は「一つ、またはそれ以上の外見上の欠陥や欠点にとらわれるが、それは他人には認識できないかできても些細なものに見える。そのとらわれに対し、繰り返し行動や精神的行為などで無駄に時間を費やし、社会的機能障害を引き起こす」と定義されています。
身体醜形障害になりやすいのは、次のような性格の方たちです。

  • 完璧主義、妥協しない
  • 負けず嫌い
  • 頑固である
  • 周囲からの肯定的な意見や評価(「きれいですね」「格好いいですね」「全然気にならない」など) を受け入れることができない
  • 自己評価や自己肯定が著しく低い

※参考 【日本精神神経学会:DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル】 医学書院,東京,2014

■ 実は美人やイケメンに多い身体醜形障害(BDD)

身体醜形障害は先に挙げた性格の方たちがなりやすく、またその性格ゆえに誰にも相談できず1人で悩んでしまいがちです。身内や友人に相談して「大丈夫だよ」「そんなことは全然気にならない」と言われても、ご自身は納得できません。人によっては「自分のことを傷つけないように気を使っているだけ」「自分を励ましているだけだ」と、相手のことばを否定的に捉えてしまうこともあります。しかし実は、身体醜形障害に悩んでいるのは“容姿が整っている”、“頭脳明晰”など、“他人からうらやましがられるような存在”である場合が多いのです。

■ 身体醜形障害(BDD)の原因は?

身体醜形障害の原因としては、次のようなことが考えられます。

  • 幼少期に、容姿について家族や友人から言われたネガティブなことばや表現がいつまでも心に残ってしまっている
  • 幼少期から親の愛着を受けていないため、安心して過ごせる環境がなかった
  • 幼少期の母子関係で母親との関係がうまくいっていない。あるいは母親との関係はうまくいっていたが、母親への憧れが強く、母親と自分を比較してしまう
  • 兄弟・姉妹などに容姿が恵まれた人、あるいは頭脳明晰な人がいて、家族や周囲の人から比較された経験がある

■ 身体醜形障害(BDD)の方に特徴的な「確認行動・反復行動」

身体醜形障害の方には共通した特徴的な行動があります。これを確認行動、反復行動と呼びます。確認行動・反復行動は「家の鍵を閉めたかどうか不安になり、何度も確認する」というような強迫症状の一種です。 確認行動・反復行動の典型的な例を挙げておきましょう。

  • 鏡を繰り返し見る
  • ネット検索を繰り返す
  • 写真を撮る(自撮り)
  • ドクターショッピングを繰り返す
  • 自分の気にしている部分を他人から見られている気がして、マスクを外すことができない
  • 治療に関する費用や労力をおしまない(遠方からでも受診する)傾向がある

■ 安易な判断で治療を開始し、手術を繰り返すのは危険です

身体醜形障害の方は「治療に関する費用や労力をおしまない」傾向があり、治療を早めに開始する人が多いでしょう。そして「手術に完璧を求める」のも身体醜形障害の方の特徴です。そのため結果にあまり満足できず、何度も手術を繰り返そうとします。 たとえばアメリカのあるスーパースターを例にお話しましょう。彼は歌もダンスも見事で、容姿もとくに問題があるとは思えませんでした。しかし彼は自分の鼻の形が気に入らず、整形手術を繰り返しました。おかげでとてもきれいな鼻の時期があったにもかかわらず、「これではまだ満足できる状態ではない」と完璧を求めてさらに整形を繰り返し、結果的に鼻の形態を悪くしてしまったのです。
手術にはリスクがつきものです。手術を何度も繰り返すということは、それだけトラブルになるリスクも、出費も増えてしまいます。「もっときれいになりますよ」ということばを信用して、繰り返し高い手術費を払う、いわゆる“鴨ねぎ”状態になっている人も少なくありません。

■ もしかして「身体醜形障害(BDD)」かも、と思ったら…

身体醜形障害の方にとって大事なのは「自己を受け入れ、安心できる環境に身を置くこと」です。自分の行動をチェックして「もしかして身体醜形障害かも…」と思ったら、鏡を見る回数を少なくする、自撮りやネット検索を控えるなどの確認行動や反復行動をできるだけ減らすよう心がけましょう。 特にネット検索では、SNSなどのタイムラインに次々と美しいモデルや女優の画像が流れてきます。その画像を取り込み、モデルや女優の容姿に憧れをもつのはかまいません。でも「手術を受ければ、自分も同じようになれる」と思い始めたら要注意です。
鏡で確認している女性のイメージ

■ 「身体醜形障害(BDD)かも」と思って受診したら、どんなことをするの?

自己評価や自己肯定が低く、自分の容姿を常に否定的に見るため、身体醜形障害(BDD)の方は美容外科クリニックを受診することが多いものです。身体醜形障害の傾向が見られる場合は、当院では次のような対応を取っています。

1. 複数回カウンセリングを行う

院長が診察して身体醜形障害(BDD)の症状が強いと判断した場合、成人でも身内あるいは親友など、第三者と一緒にカウンセリングを受けていただきます。そして医師・患者様ご本人・第三者が納得した場合のみ、治療を行います。

2. 手術を行う場合、過剰に期待しないこと

カウンセリングを繰り返して手術を受けることになった場合、「手術を受けても、自分の思い描いていた通りの結果になるとは限らない」ことを理解し、治療結果に期待しすぎないことが大切です。また手術には合併症やリスクが存在することも覚えておきましょう。

■ まとめ

その症状が周囲の人々には理解されにくいため、誰にも相談できず一人で悩んでいる身体醜形障害(BDD)の方が意外にたくさんいらっしゃいます。 身体醜形障害は幼少期に愛着を受けずに育ち、安心して自分の身を置く環境がなかったことなどが原因で起こります。その結果として、自己評価や自己肯定感が低く、自分の容姿を常に否定的に見るようになるのです。身体醜形障害の方が美容外科クリニックを受診するのは、手術を受けることで満足感や達成感を得ようとするためと言ってよいでしょう。 信じがたいことですが、身体醜形障害(BDD)のことを知らない医師が数多く存在します。きちんとした診断もせずに手術を行い、身体醜形障害(BDD)の症状をより悪化させてしまうケースも少なくありません。 今はSNSが普及し、自分の憧れの容姿、理想の顔などの写真が簡単に手に入る時代です。そのため理想はどんどんふくらみ、理想の顔と自身の顔とのギャップがわからなくなり、手術を繰り返しても満足が得られないということが起こっています。
美容外科手術は100点満点の容姿、完璧な顔を求める手段ではありません。今の自分を肯定するため、そして人生をよりよくするための手段の一つが美容外科手術、そんなふうに視点を変えて治療を受けていただけるとよいと思います。